帰る準備をしていたら窓際にリボーン君が窓際に来た。
「ちゃおッス」
「あ、リボーン君!」
「どうしたの〜?」
確か、学校に来ることはボスが止めていたように思ったんだけど。(危ないもんね)
私が駆け寄るとリボーン君はにやりと笑うと「付いてこい」と言って、校庭に向かってしまった。
ま、まま、まさか、飛び降りろっていうわけじゃないよね・・・
でも、赤ちゃんだから身軽かもしれないけど、さすがに中学生は死ぬと思うんだ!
私は走って校庭に向かうことにした。
校庭に向かうと、何やら修羅場だった。
ええと・・・
「何があったの?」
手近にいた山本君に聞いてみる。
「お〜、」
山本君は困ったように笑った。
「いや、なんて説明したらいいのか・・・」
「あ、バカ女!!めんどくせー時にきやがって」
ご、獄寺君・・・今日もお元気そうで何よりです。
あ、そ、そんなことよりも!
「師匠!こんにちは!」
師匠の姿を見つけ、私は駆け寄って挨拶をする。
「は、はひ!?」
「またややこしい人来たー!!」
「来るのがおせーぞ」
師匠は何やら慌てていて、私が声をかけて更に慌ててしまったみたいだ。
パニックになってしまっている。リボーン君が私の頭に乗っかって言う。
ボスは・・・余計なお世話です。
「だ、だって飛び降りるわけにはいかなかったんだもん」
「飛び降りてみろってんだ」
「む、無理だよ!」
「おめぇがもたもたしてるからもう終わっちまったぞ」
「?」
指差された先を見るとなんか大人の男の人が体育座りで泣いている。
な、なにがあったのー!!??
「何に呼んだの?」
ボスを見てみると、ボスは頭の上のリボーン君に、
「さんも候補だったの!?」
「当たり前だろ。今のファミリーったらこれぐらいだろうが」
?
候補って何の候補だろ・・・
そう考えていたら、泣いていた男の人が急に顔を上げた。
ランボは顔をあげてさんを感動したように見つめた。
え、ちょっと、まさか・・・
「・・・」
「・・・??」
たっぷり五秒は見つめ合っただろうか、彼は急に立ち上がるとさんに近寄り、さんの目の前に膝を付き(さんはその瞬間ちょっと引いた)、手を取り、そこにな、なんと口づけた!
「な、なんだってー!」
その場にいた全員が声をあげる。・・・あれ、珍しく山本は何も言ってない・・・
それどころか無表情でそんな光景を眺めている。興味ないのかな・・・?
「な、なな、なんですか!?」
「さん、破廉恥です!!」
「師匠、違います、私は無罪です!!」
本当だよ、今回ばかりはさんを責められないよ・・・!!
それにしても、さっきから気になってたんだけど、さんの「師匠」ってなんだ?何の師匠なんだ?
「ランボ、どういうことだよ!」
俺が言うと、(いや、聞いてるのかきいてないのかわからないけどさ!)
ランボは立ち上がってにっこりとさんに笑いかけた。
「お久しぶりです。若き愛しき飴の人」
「はあぁぁ!?」
ああ、今日は叫んでばかりだ、喉が痛い。それにしても、「愛しき」!?「飴の人」!?
俺は聞き慣れない単語ばかりにめまいがした。
「貴方に飴なんかあげてましたか?」
さんは本当に悩んでしまっている。思い出せ!探偵だろ!!
っていっても、あれが十年後のランボだって知らないだろうしなあ・・・
「さん・・・不潔です!!」
「師匠!? わわ、ど、どうしよう!!」
「大丈夫ですよ、十年後の貴方は仮装もとっても上手くなっている、俺ですらだまされるくらいに」
ごきゃ
うわあ・・・
さんの右ストレートがもろに入った・・・痛そう・・・
ちょっとだけランボに同情してしまう。っていうか、さん十年後も探偵なんだ・・・嫌だなあ・・・
「師匠!!」
さんはハルを追いかけて行ってしまった。
「・・・」
俺はさっきよりも深く深く体育座りしてしまったランボを慰めることにした
(まったく、いつもこういう役目は俺なんだから・・・!)
それにしても、さんに「愛しき」なんて言葉を使ってしまうあたり、やっぱりこいつは大人なんだなー・・・
今の所はありえないくらいないているただの情けない人なんだけど・・・
そうこうしてるうちにランボは元に戻って、さんが戻ってきた。
やけにぐったりしてる所を見ると、誤解・・・解けなかったんだろうな・・・
まあ、あれは仕方ないよな、うん。時間が解決してくれるよ・・・たぶん。
「だめだった・・・」
やっぱり・・・
元に戻ったランボはさんに駆け寄った。
「ねーねー!!飴ちょうだい〜!!」
「ん?ランボ君、学校来ちゃったの? ・・・ちょっと待っててね」
さんはそういうとがさがさと制服のポケットを漁りだした。
あ・・・なんか「飴の人」、わかったぞ。
まあ、今のままだったら混乱するだろうから言わないけど、というか自分で気づくんじゃないかな・・・
案の定、ごそごそやっていたさんは何かに気づいたようにランボを見た。
しゃがみこんで、ランボに何かを聞こうとして・・・
「ほら、チビ」
あ、山本が飴あげてる。さんがびっくりしたように山本を見る。
山本はそれに気がつかないみたいで飴を受け取ったランボの頭を撫でている。
さんはまた首を傾げている。
ん?それにしてもなんか静かだな・・・
と思ったら獄寺君はリボーンに右腕が誰かを問いつめている・・・まだやってたの!?
てかハルが片腕はないから多分無効だろ・・・ていうか、またリボーンの気まぐれだったりして・・・
ありえる!
「ご、獄寺君、もう片腕とかいいじゃん・・・」
「片腕?」
さんが聞きとがめてしまった。ああ!
山本も思い出したような顔をした。
「しまった、右腕を決める争いなら私も急いでくればよかった!!」
今更だよ・・・
「でも探偵は裏で活躍するものだからね!右腕にはなれないよ、残念だね!」
どうでもいいよ・・・
「てめぇ、バカ女!右腕は俺だって決まってるんだよ!!」
決まってないよ、っていうかマフィアにはならないよ!!
リボーンはにやっと笑うと・・・
「勝負は持ち越しだ・・・まぁ、今はハルが優勢だけどな」
ああ、なんでそんなに火に油を注ぐようなことをいうんだよ!!
獄寺君とさんは顔を見合わせて、そっぽを向いてしまった。
「あ、アホ牛!おめー、人に飴とか要求してんじゃねー!」
獄寺君は怒りの対象をみつけたみたいにランボにむかって怒鳴る。
ランボは校門に向かいながらあかんべーをしてみせたから・・・
ああ、獄寺君が追いかけて行っちゃった・・・
山本はさんに、
「俺がいるときは俺が飴やるから」
と言っていた。
?
どういう意味だろ?
「じゃ、ツナ、俺、部活行くわ!」
「あ、うん、がんばって!」
「じゃあ私は探検に行く!」
ええええ!?探検!?この年で探検!?
「ボス、一緒に行く?」
「いやままままさか!!!」
「残念だなー」
さんもどこかにいってしまった。
まったく・・・なんだったんだ・・・
なんだかすごい、疲れた・・・
あ!明日数学の小テストじゃん!
ややややってしまった・・・!!
一応断っておくと、山本夢でもランボ夢でもないです・・・
|